悪夢への「前進」

TPPは国民医療を破壊する―韓米FTAに学んだ医療者からの訴え
昨日夕方、安倍はTPPの交渉に参加することを表明した。
それまでの流れから、誰しも、こうなることを予想するのは簡単であったし、日米共同声明も意図的に難解な言い回しをつかい、まるで「聖域」があるかのような内容であった。TPP推進派である大手新聞テレビは、それをもって早急に参加すべきとはやし立てている。


昨夜から今朝の新聞テレビは、「交渉参加表明」を報じた後、TPPの解説と日本のGDPについて論じていた。今朝の朝日新聞でも「TPP 日本どうなる」というタイトルで記事を載せていて、「6つのキーワードをもとに読み解く」とある。いまごろ「読み解」いてどうする?


テレビの解説では、農業などは‐3兆円の減少になるが、工業輸出が増えるから、結果+3兆円の効果をもたらすと説明する。単に、「加減」の計算だけである。農業、水産業、畜産業などは、1億3千万人の食料を確保し、飢餓から守る国民を守る絶対的な産業であり、単なる「加減」の問題ではないのだが、その点をテレビではスルーする。スルーするだけではなく、朝日新聞の識者コメントで、BNPバリバ証券チーフエコノミスト河野は「農業に『聖域』を設けなければ、(TPP)効果はさらに拡大するだろう」とアメリカが喜ぶようなことを書いている。また、河野は、輸入増加がGDPを押し下げるという批判にたいして「自由貿易は安くて魅力的な製品を海外から買うためにやるものであり、おかしな理屈だ」とまで言う。この文章で「魅力的な製品」と勝手に修飾しているが、日本の食品の安全基準を緩和させてまで日本に輸出することをもくろむアメリカ製品のどこが「魅力的」か?


また、自動車工業界も喜んでいたが、その喜びの前に、すでに、アメリカは「日本からの自動車には5%で5年以上、トラックで25%、10年以上」の関税を維持するということをTPP参加前のめりの日本はのんだことが出ていた。これで何がうれしいのだろうか?


すべてはアメリカのためにTPPに参加することが本質であるのに、今朝の「朝ズバ」の番組終了前に、みのがTPP交渉参加表明は「前進ですね」といったが、その「前進」はアメリカにとっての「前進」であり、日本にとっては悪夢への「前進」なのである。