サーベラスの西武TOB


「構造改革」という幻想―経済危機からどう脱出するか
新聞によると、西武ホールディングの筆頭株主の米国投資ファンドサーベラスが敵対的TOBを仕掛けている。
サーベラス側の提案は「5路線の廃止」「ライオンズの売却」らしい。西武HDの後藤社長は、それは企業価値の喪失につながると反対を表明した。この表明にサーベラス側は「強く要請していない」と反論したようであるが、「強く」ではなくても「要請」はしたのだろう。


今回のTOBでは、米国と日本の西武HDの株主としてのスタンスが両陣営によく表れている。
かつて、線路を敷き、駅を作り、そこに街を造り、企業価値を上げてきた西武HD側としては「路線廃止」など考えられない。しかし、サーベラスは、海を渡ってきた米国資本主義のファンドである、そんなことなど関係ないのだ。とにかく「高配当・株価高値」がほしいのだ。そこに住む日本人が「廃線」で困ろうと知ったこっちゃない。
「高配当・株価高値」の邪魔になるものは"消せ!"である。


この「金儲け」に通じるのが、大阪市長橋下の大阪市営バス・地下鉄の「民営化」である。
市営バスの不採算路線を廃線にして、儲かる路線は残し、地下鉄とともに在阪民間鉄道会社に売却しようとする「民営化」である。資本家に儲け口を差し出すのだ。
廃線で困る人が多く出るだろうし、そのバスの廃線をやめて残したとしても、民間会社は料金を値上げするだろう。そうなることは目に見えているのに、大阪市民の税金を投入して作り上げた公営交通を、なぜ「民営化」しなければいけないのか。


もしかしたら、市長をやめた後のことを考えてのことだろうか。
民間鉄道会社に恩を売っておいて、市長をやめた後は、ちゃっかりその企業の顧問弁護士におさまるつもりなのかもしれない。