誰のための「前進」?

甘利TPP相は「細かな部分は多少(前進が)あったが、主要なところの前進は見られなかった」と述べたらしいが、誰のための「前進」なのか。
「前進」があるときは、アメリカの勝利の時である。

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を巡り、甘利明TPP相は17日、米ワシントンでフロマン米通商代表部(USTR)代表と協議した。甘利氏は協議の終了後、記者団に「(交渉は)膠着(こうちゃく)状態が続いている」と述べた。両者は18日午前に協議を再開する。

 協議は17日朝から、主に事務方を交えずに断続的に計約6時間に及んだ。甘利氏は、9、10の両日に東京で行われた前回の協議と比べて、「細かな部分は多少(前進が)あったが、主要なところの前進は見られなかった」と述べた上で、現時点では距離感が「相当にある」と語った。フロマン氏は記者団に「タフな交渉だった。残された隔たりを埋められるよう作業を続ける」と述べた。

 両者は24日の日米首脳会談で、日米の関税協議について「大筋合意」することを目指しているが、焦点となっている牛肉・豚肉などの農産品と自動車の関税の扱いをめぐって協議は難航している。

 首相官邸では18日午前、安倍晋三首相や林芳正農林水産相らがTPP交渉などについて協議した。菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で、「甘利氏に全て委ねてギリギリの交渉を行っている」と述べ、会談の行方を見守る考えを示した。(ワシントン=藤田知也、五十嵐大介朝日新聞電子版